プラチナプリントとは

プラチナプリントは、1873年にイギリスで生まれた技法で、黒のしまり、ハーフトーンが何より美しく、白と黒の間に無限にある階調の美しさはプラチナプリントに勝るものはないと言われる「光の芸術」です。

そのプリントは、500年以上の保存が可能と言われ、また、薬液の調合から現像までがすべて手作業で行われるため、この世の中に一つとして同じものが存在しません。

プラチナを使うことでの上質さ、希少性の高さからも美学的に価値のあるアートとして、近年再び注目されています。

Precious one への想い

白か黒かの世界に生きてきた私でしたが、世の中にはグレーな事ってたくさんあるし、グレーにしておかないとどうにもこうにも前に進まないことがどうしようもないくらいある、と年を重ねるごとに感じるようになりました。グレーは、また別のグレーを生み出します。

シリーズ、”Precious one”は、東京の自宅で、目の前に存在する全てのものに心からの敬意をもって向き合い、撮影しました。

大切なものを探して撮影を続けていた時、偶然に偶然が重なり、グレーにグレーが重なって・・・今回の作品群が生まれました。プラチナプリントは、本当に優美なグレーを描きます。是非、生で、たくさんの方にその美しさを見て頂きたいと思います。

私は、プラチナプリント作家として写真界のエルメスを目指したいと思っています。プラチナを薬品として使うわけですから、コストもかかるし、一つ一つ手作業のため時間もかかる・・・けれど、そのような工程を経るからこそ、世界に一つしかないアートを生み出すことが出来るのです。
本物を、孫、ひ孫の代まで受け継いでもらいたい、おばあちゃまが大好きだったこの写真を、そこに佇む想いと共に代々ご家族で語り継ぎ、家族を繋ぐ大切なものになってくれたら・・・私の作家としての願いです。
大量消費社会から、数少なくとも上質なものに囲まれる中に幸せを、愛を見つける・・・今、そんな時代なのではないかと思います。

みなさんにたくさんの愛が届きますように。
May love fill the world!!

Ena  Ishii アーティストサイトはこちら