自分の声が大嫌いだった私が、アナウンサーになるまで ②
後先構わず飛び込む勇気
意外って言われますが、中高テニス部、しかも部長！
めちゃくちゃ体育会系です 笑
大学に入ってからもテニスを続けていたのですが、
2年生になって、「何かが違う！」と。
テニスは楽しいんですよ、もちろん。仲間も大好きでした。
けど、父が高二の時に他界していたこともあり、人一倍自立心が強かった当時の私は、
私はプロのテニスプレーヤーになるわけではない。
私は何になりたいの？
私が本当にやりたいことってなんだろう？
そう将来を考えた末、私はテニスをスパッとやめる決断をしました。
この決断に、友人はみんなびっくりしていたし、やめる必要ないじゃん、って必死に止めてくれました。
でも、私の意志は鉄のように固かったのです。
このとききちんと自分の言葉でみんなに説明することが出来ず、突然辞めたこと、
今思うと、なんて自分勝手な奴って思ったよね。
みんな、ごめんね。
ここで帰る場所を作ってしまってたら、私は絶対甘えてしまうと思った。
元に戻れないところに自分の身を置くってことが、
その時の私にはとんでもなく重要なことに思えて・・・
きっぱりと20歳になった瞬間にテニスをやめ、私は憧れていたパリに留学しました。
パリで念願のアートに囲まれる生活をしたものの、帰国後やはり何になりたいかわからず、悶々とした日々を過ごしていました。
（でも、この経験が、写真の世界に入ってから活きたんですよね～。
人生に無駄なことってないんだなってつくづく思います。）
探して探して追い求めているときはなかなか見つからなかったのに、
本当に、ひょんなことから道が拓けました。
長かった髪もバッサリ切った20歳の私
大学3年生の冬
中高の先輩、下平さやかさんがテレビ朝日のアナウンサーになられたと聞き、
一言お祝いを言いたくて、久しぶりにお電話をかけたんです。
一つ上の先輩で、彼女はソフトボール部、私はテニス部。
部室も隣同士で、グラウンドで顔をあわせるたびに声をかけてくださった優しい先輩。
「えなちゃんも受けてみなよ。アナウンサー試験は始まるの早いから、練習だと思って！」
きっかけはこの一言でした。
でも多分、父の死を経験していなければ、私なんて無理無理と最初から諦めて、
アナウンサー試験を受けようともしなかったでしょう。
私がアナウンサー試験を受けてみようと決意した理由
絶対的な存在であった父が、ある日突然目の前からいなくなってしまった・・・
その喪失感は17歳という思春期真っ只中の私には、正直受け止め難いものでした。
私の中でたとえ時間が止まっていても、
どんなに私が悲しみに暮れていようとも、
世の中は何事もなかったように動いている。
父の突然の死によって、
永遠なんてどこにもないって知ったし
今できることは今しないと後悔するって痛切に感じたし
私は普通の人生を歩むもんだと思ってたけど、なんだか普通じゃなくなっちゃった。
どうせ普通じゃないんだったら、普通じゃやらないことやってやろうじゃないのって！！
これ、めちゃくちゃ本音（笑）ある意味、開き直りです！！
自分に出来るわけないって諦めちゃうのは簡単だし、人と違うことするって勇気いるけど、えいって飛び込んじゃえば、想像を超えてワクワクする世界が広がっているはず！
やってみてから後悔しようって、そう思いました。
アナウンサーになってから祖母に聞いた話ですが、
父も昔アナウンサーになりたかったんだと！！！全然知らなかった（涙）
私、父の夢を叶えることができたんだ！ってすごく嬉しかったっけ。
だから、父が背中を押してくれたのかな？と
今はそんな風にも思っています。
アナウンサー試験での衝撃
受けてみようって決めたものの、よくわからないまま願書出して、よくわからないまま二次面接に進んで・・・
でも、その控え室で見た光景が、私の心に衝撃を与えました。
女子アナの卵たちは、みんなエネルギーに満ち溢れ、眩しいくらい輝いていた！！
アナウンサーになりたいっていう夢を持って、
今を心から楽しみながら生きてた！！
この子たちと、同じ土俵に立ちたいって思いました。
必死に観察して導き出した、私との決定的な違い！！
彼女たちはいつも笑顔で、自信を持って話をしていた
当時、アナウンスの訓練も何もしたことのなかった私は、
話すことの自信なんて一欠片もなく
自己PRといっても小さな声でモゴモゴしゃべるだけ。
自らの思いを語るなんて恐れ多くて・・・
これじゃいけないと一念発起した私は、アナウンス試験と並行して、遅ればせながらアナウンス学校に通いだしました！！
そして、ここで出会った先生が、自信のない私に魔法の言葉をかけてくださり、
そこから私は少しずつ変わり始めたのでした・・・
第3話に続きます