個展在廊予定と、Q&A「アナウンサーから写真家への道 ③」なぜ写真だったのか

個展スタートまで、一週間を切りました!

ただいま、展示用のプロフィール、ステートメント、作品タイトル、さらに、エントランスのポスター作りに励む毎日です。

皆様にわかりやすく、優しい展示にするにはどうしたものかと、日々格闘中です。

銀座ギャラリーART FOR THOUGHTさんのHPでも個展のご紹介をいただきましたので、ご覧いただけますと嬉しいです。

石井 江奈個展 Texture~かさなる気配~ ご紹介記事はこちらから→★

 

在廊予定日時

現段階での在廊予定をご案内したいと思います。

8/17(木) 初日は15時スタートですので、15時から17時まで。

8/19(土) オープニングパーティー  詳細はこちら→★

16時半過ぎから20時半ごろまで在廊予定

8/20(日) 休廊ですのでご注意ください

8/22(火) 15時半~16時半 ・ 18時~19時半

8/24(木)25(金)最終日 15時過ぎより19時ごろまで在廊予定

 

なるべく時間を見つけて在廊時間を増やしたいなと思っております。

当日の予定は、FB、ツイッターでアップしますのでお手数ですがご確認いただけましたら嬉しいです。

皆様にお会いできますこと、楽しみにしています。

 

個展情報 Q&A

なぜアナウンサーの私が、写真家になろうと思ったか?」第一話・第二話  記事はこちらから→★

たくさんの方にお読みいただき、ブログアクセス急上昇しており感激しています。

 

勇気をもらえた!なんて言っていただけると照れくさいのですが、

誰にも必ず人生にはアップダウンがあって

嬉しいことも、悲しいことも、時には目を背けたくなるような辛い出来事も。

でも、そんな体験も、私は全て「経験してよかった」ことにできたらいいなって思うんです。

 

今回展示するプラチナプリントを制作していた頃は、実は私の人生どん底の時でした。

苦しい胸の内を誰にも話すことができず、当時は実家の家族からも理解を得られなくて・・・

その時、私は、今いる場所から逃れたくて仕方なくて。

想い出がいっぱい詰まった家にいるのも辛くて。

 

消えてしまいたいって思いました。

 

ある秋の夕方、たった一人でリビングのソファに座っていた時。

窓から一筋の光がパーっと差して来たのです。

「美しい・・・」

素直に思いました。

そして、私の身の回りには、こんなに美しい光があったんだ、と気づいた瞬間でした。

 

逃げたいと思って別の場所に行ったり、別のことをするのは、一瞬とても楽しく感じるけど、

それは本当の意味での解決にはならない。

「逃げちゃダメだ。目の前のものに、真正面から向き合おう」

この日から、私は夢中で身の回りに存在する私の大切なものを撮影し始めました。

 

半年かけて撮影し、さらにそこから半年かけてプリントしたシリーズ「Precious One」が、NYで入選し、SOHOのギャラリーで展示させていただくことができるなんて、当時は夢にも思わずに。

NYで入選したプラチナプリント
「Miraculous Layers」

作品としてカタチにした瞬間に、全てがつながり、苦しみは喜びへと昇華されました

 

写真=Photographって、「光を描く」って意味なんですよね。

光があればその対極には影もまた存在する。

両者が存在するからこそ、世界は美しいんだ、今はそんな風に思えるのです。

 

私にとって、「光」は特別なものです。

師匠である、欧米を中心に活動する写真家 平竜二氏との出会いによって、私は、プラチナという希少で上質なメディウムを使って光を固定することで、美しいものを限りなく美しく何百年も残し、何代にも渡って愛を繋いでいける作品を作リ出す方法を身につけることができました。

NYの展示の時、このプリント技術を皆がこぞって教えて欲しい!と私の元に集まってくれました。

プラチナプリントアーティストとしての私が生まれたのは、平さんとの出会いがあったからに他なりません。

 

なぜ私が「写真」を始めたか。

もう一人、大きな影響を受けたのは、母の存在です。

私の母は、フラワーアーティストです。(母については、こちらをご覧頂ければと思います→★

子供の頃の遊び場は世田谷美術館でした。

母と私は、美しいものが好きですし、美しい、と思う感性も似ていると思います。

しかし、母と私には決定的な違いがありました。

母は、何か物を作る時、オブラートのように繊細なものを組み合わせ、積み重ねることで美しいものをさらに美しく装飾します。

母のアトリエ

これは、母の作品作りの基礎となり、根幹にもなっているところです。

 

しかし私は!

美しいものを見ると、そのものの奥底に隠れている本質を見つけようとします。

衣服を着ているものは剥ぎ取りたくなり、

目に見えて美しいものの裏側に潜む何かにこそ、そのものの本質があると考えるからです。

 

写真を始めたきっかけは、普段の会話の中での、母のこんな一言でした。

「あなたのような性格に、写真は向いてると思うわよ」

これが大当たりでした(笑)不思議なものです。

 

今回の個展サブタイトルの、「かさなる気配」

私は、目の前に存在するものの裏側に幾重にもかさなる気配を写しとりたいと、いつも思って撮影しています。

その気配は、私たちの記憶の何かを刺激するように思うのです。

 

生きることの喜びは、目にはっきり見えるものではなく、変化し続け、 与えられるのではなく、掴み取るものではないかと思います。

逆説的に、今ここに「ただ存在している」ということがいかに稀有で美しいことか、神秘とさえ感じるのです。

 

今回の展示は、私がこの世に生を受けた瞬間から日々積み重ねてきた想いを、今の私が美しいと感じる色彩とTextureで表現しました。

優しく重なり合うことで、密やかでありながらも絶対的に存在する気配を、皆様の心で感じて頂けたら嬉しいです。

 

次回は、今回の個展で取り組んだ、私の新たなチャレンジについて、お話ししたいと思います。